印刷の豆知識
PAITING TRIVIA
今日のわたしたちにとって身近な存在となった、印刷物。漫画や小説の単行本はもちろん、パンフレットやポスターなど、街を見渡せば数え切れないほどの印刷物が溢れかえっています。ここでは、そんな印刷についての豆知識と、原稿の入校時のチェックポイントを紹介します。
印刷技術の歴史
印刷技術の歴史
「印刷」とは、版にインクをつけてそれを紙などに押し付け、同じページや同じ絵を、版画のように簡単かつ素早くつくる作業を指します。ここでは印刷の豆知識、人類と文字、絵画、写真をつなげる印刷技術の歴史を紹介します。
✓木版印刷(紀元前1800年ごろ)
中国で「紙」が発明され、木版印刷が行われました。日本でも「百万塔陀羅尼」が印刷されたとされています。原理は小学校などで習う木版画とまったく同じ原理で、手作業で文字や絵を彫り、インキを付けて、紙に写し取るものです。草書体が好まれた日本においては、活版印刷よりも広く普及しました。
✓グーテンベルク印刷機(1450年ごろ)
ヨハネス・グーテンベルクによって金属活字を用いた活版印刷技術が発明されました。これは印刷に革命をもたらし、印刷物の生産が効率的に行えるようになりました。この発明により、「本」という商品が大量に生まれ、大陸各地へと広く伝播するきっかけとなったのです。同時に、いくつもの物語や絵画もまた、各地へと普及していきました。
✓オフセット印刷(1875年ごろ)
現代の主流となっているオフセット印刷が広まりました。オフセット印刷は、刷版を作成してからアルミ板に焼き付ける工程で作られます。チラシや冊子、書籍、新聞などの印刷に広く用いられています。
いかがでしょうか。印刷と人類との関係は、実に二千年以上にもなるのです。人類は紀元前から印刷技術の模索を続けて、本やパンフレット、名刺やポスターなどを開発しました。現代の印刷はさまざまな技術が組み合わさっていますが、オフセット印刷が一般的です。世界の印刷産業は広告印刷などを含めて多様な分野で発展しており、総売上は8210億ドル規模となっています。
入校時のチェックポイント
入校時のチェックポイント
原稿を入稿するときのチェックポイントです。まだ、入稿に慣れていない方や、ベテランの方の復習のために御覧ください。
- 印刷する際は、ドキュメントカラー設定をCMYKかRGBのどちらで行えばいいでしょうか?
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印刷物は画像、文字とも必ずCMYKカラーにします。RGBで入稿されますと印刷の出来上がりがイメージと大きく変わってしまいます。
- 塗り足しとはなんですか?
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絵柄や画像など、紙面のフチまでオブジェクトがある場合は「塗り足し」の設定をする必要があります。塗り足しがないと、断裁時の誤差が産まれる原因になります。仕上りサイズの左右上下それぞれに3mmずつ設定するようにしましょう。(※印刷会社によっては異なる場合があります)
- 入稿時に必要なテキストのアウトライン化とは?
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アウトライン化とは文字情報を図形情報(パスオブジェクト)に変換する処理です。文字情報であるフォントの搭載状況は、OSやバージョンなど環境によって異なるためアウトライン化をしないと入稿先の環境でファイルを開いた時に、別のフォントへの置き換わりや文字化けが生じる原因になります。
- 印刷物の配置画像のカラーモードはCMYKで大丈夫ですか?
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光で色を表現するモニターではRGBで作成したデータは鮮やかに見えますが、印刷物では塗料の三原色であるCMY+Kでないと色味が大きく異なってしまいます。入稿前に 必ず作成した画像データがCMYKになっている事を確認しましょう。
- 画像の解像度はどれくらいがいいですか?
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印刷物に使用するカラー画像は、原寸サイズで350dpiというのが一般的です。(※印刷会社によって異なる場合があります)基本的に制作物の解像度は300dpi以上にするように心がけましょう。
- 配置画像の埋め込み処理のメリットはなんですか?
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リンク画像の入稿漏れやファイル名の文字化け等、リンク切れのトラブルを防ぐことができます。配置した画像は必ず埋め込み処理を行ってから入稿しましょう。
- 入稿する際、「PDF互換ファイルを作成」の役割とは?
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印刷会社に入稿するaiファイルは、保存する時に「PDF互換ファイルを作成」に必ず チェックを入れましょう。他ソフトや他PCでも閲覧できるようになります。名前を付けて保存する時、オプション内のチェックボックスをONにしましょう。